「ブラックフライデー」にギフトブックを薦めては
急に冷え込む日が続き、今年もあと2カ月弱で終わる時期となった。日本では自由民主党が衆院選で大敗し、アメリカでは〝もしトラ〟が現実となった。ウクライナ、パレスチナでの争いに終息の様子は見えず、先が見通せない中での年末年始になりそうだ。
11月29日の「ブラックフライデー」前後からの年末商戦は世界中に広がり、日本でも大手小売りなどがアピールしたことで、11月最終週からのイベントとして定着してきた。意味や由来を知らない人々も浮かれるお祭り騒ぎは、バレンタインデーやハロウィンなどと似ている。
出版業界では11月を「読書月間」と位置づけ、「BOOK MEETS NEXT」関連のイベントが数多く行われるようになったが、「ブラックフライデー」に合わせて、本を贈ることを薦めることも可能ではないだろうか。
ギフトブックが定着している欧米では、業界団体などもギフト向け本のリストなどを作り、業界全体でアピールする。例えば最終週にアピールして、クリスマスや年始の需要を喚起できないか。
かつて書籍の価格拘束があったイギリスでは、年に一度の「ナショナルブックディ」では価格拘束を解いて、書店が割引販売を実施していた。業界全体で取り組めば、そうしたことも可能だ。本の需要が増える見込みがない中で、従来とは違った試みも必要だろう。【星野渉】