子どもが本を「読みたくなる」メソッド作り
子ども向けの読書指導アプリを提供する株式会社Yondemyは、子どもが自ら読書するために、それぞれの子どもに合った本を薦め、読書にハマるきっかけをつくり、読書を習慣化する環境をつくるサービスを提供している。
子どもに合う本選びでは、漢字の量や文章の長さなどからレベルを設定。独自の指標でタグ付したブックデータから、子どもの好みに合わせた本を薦める。長さや難しさなどを組み合わせて読む本のレベルを上げていく。
こうした指標やノウハウは、様々な先行研究からはもちろん、創業者で代表取締役/CEOの笹沼颯太氏が、自ら英語多読の塾に通い、その後講師を務めた経験から、読書を習慣化する方法に行き当たったともいう。
笹沼氏は、この20年間で家庭での読み聞かせや朝の読書が普及した一方で、自分で読む年齢になると急速に本から離れ動画に向かってしまう状況を指摘。それでも毎日30分以上読書をする子の割合は変わらず、小学生で読書を習慣化することが大切だという。
かつて本は「読むのが当たり前」だったが「読ませたい」に変わり、そこから当人を「読みたい」と思わせることへのハードルは高い。Yondemyの試みは、これを実証に基づくノウハウとして提供しようとしているところが興味深い。大学2年だった笹沼氏が起業したスタートアップに期待したい。 【星野渉】