新年に業界改革の動き
インフルエンザの感染者が現在の調査方法になって最多になっているという。弊社でも年末年始に発熱し寝込んだ者が多く、新年の業界行事に参加してもそういう話をよく聞く。そんな中、出版業界の今後を左右するであろう新しい動きも見え始めている。
KADOKAWAは、長年取り組んできた製造から物流、販売までを一貫して行う「BECプロジェクト」をいよいよ発表した。小ロット製造が可能なデジタル印刷、書店への直送、店頭の端末で同社商品の発注や在庫確認ができるシステムなどを構築し、需要に適応した製造、流通を可能にする。
物流やネットのトラブルなどに見舞われながらも体制を整え、書店からの注文から店着まで24~72時間という納期や、返品率が業界標準を大きく下回る平均27%程度などの成果を報告している。一グループだけで使うにはもったいない規模だ。
一方、出版物にRFIDタグを付けて書店での業務効率化などを目指すPubteXは、今春いよいよ本格サービスを開始する。経済産業省も書店活性化プランの策定に向けた検討の中で「RFIDタグを活用」を挙げている。
いずれも、製造から小売に至る流れ全体の効率化を目指す取り組みだ。これらが出版業界のインフラとして生かされるか、その成果とスピードが注目される新年の動きだ。【星野渉】