政府支援策を活用したい
経済産業省は昨年実施した「関係者から指摘された書店活性化のための課題」へのパブリックコメントの内容を発表した。寄せられたのは409件。多くの課題についての意見と、意見に対する経産省側の考えがA4判23ページにわたってまとめられている。この結果を受けて、近く書店支援のプランが発表されるという。
どのようなプランが示されるのか気になるところだ。必ずしも業界側が期待するすべてのことが盛り込まれるわけではないだろうし、立場によって評価が分かれることもあるだろう。ただ、政府が本格的な書店支援に乗り出すことによる業界内外へのアピール効果は大きい。
まずは世間に書店の必要性などを印象付けることが、人々の来店動機になるだろう。その時に好印象を持てば再来店につながり、それがある程度習慣化されればそれだけでも効果は大きい。
業界側は、その機会を生かすため、来店した人が再び行こうと思うような店づくり、サービスを提供しなければなるまい。
熊本県書店商業組合が昨年11月から今年1月まで県の補助金を利用して実施した「プレミアム付き図書券」は県内の大型書店が参加しなかったものの、大きな反響があり、組合員書店への来店につながったという。政府支援策を業界側も積極的に活用したいものだ。【星野渉】