出版・書店に興味を持つ学生たち
学生の出版企画を審査して顕彰する「出版甲子園」は昨年、スタート以来20年を迎えたが、複数の大学に在籍する学生が中心になって運営している。もともと本好きの学生が集まっているのだろうが、出版や書店への思いが強い。
いまは複数の大学から参加する学生の実行委員会が企画の募集から審査、大会運営、出版社のオファー対応まで運営に携わる。そんな中から3人の学生さんに集まってもらい話を聞いた。運営する中で出版社の仕事に興味を持ったとか、書店が減っていることを知って本を書店店頭で買うようにしているという。
「出版甲子園」は、小学校から大学院までの学生が応募した出版企画を、学生による実行委員会の審査を経て、プロの編集者や書店人などによる審査員が参加する決勝大会で上位3企画とゲスト賞を選出する。選ばれた企画には出版社から刊行のオファーも入り、これまでに43企画が実際に商業出版されている。
昨年は出版文化産業振興財団の支援も受け、「BOOK MEETS NEXT」のイベントにも参加した。出版業界との関係が強くなれば、彼らの出版や書店への興味もさらに強くなるようだ。もしかしたら、われわれ業界関係者こそが「若者は本を読まない」といった考えにとらわれているのかもしれない。こうした学生たちをもっと支援し、業界の行事に参加してもらうとよいと感じた。【星野渉】