ラグビーにおける審判と選手の関係は、ほかのスポーツに比べてちょっと特殊かもしれません。審判は反則で笛を吹くだけではなく、反則しそうな選手に声をかけて未然に防ぎます。選手も審判のクセを見て、試合中確認しながら注意すべきプレーを意識します◆ラグビーでは「規律」が重んじられており、試合を極力止めずスムーズに進行するべく審判と選手が協力し合っているのです。そのため、「今日の試合は気持ちよく流れるなぁ」と思ったらやっぱり〇〇さんだった…というように、審判によって試合のスピードも雰囲気も変わります。審判は、ボールの密集の近くにいながら選手の進路を邪魔しないよう気を配り、ターンオーバーが起こると逆方向へものすごいスピードで走る選手を猛追します◆剛柔併せ持つ審判の動きを見ていると、職人のようで思わずほれぼれ…。こんな楽しみ方もラグビーにはあるのです。【杉江しの】