【つぶや記】2025年4月22日付

2025年4月22日

 桜前線は北上し、ここ東京でのソメイヨシノは既に新緑が目に鮮やかである。近年、桜とともに友人と繰り広げられる桜餅論戦。生まれも育ちも関東の私には、クレープ状に焼かれた生地で餡を包んだものが桜餅でしかなく、関西育ちの友人はもち米で餡を包んだものが桜餅だと言う。「それは道明寺」「いや、これが桜餅」と毎年楽しく繰り返す平和な戦いである。もはや春の風物詩である◆さて、次の季節の和菓子は柏餅だろうか。柏餅では好みの餡を主張するだけで、論戦は行われなさそうだ。しかしそんな季節ごとの和菓子があり、それを話題にできるのは豊かなものだなと思う◆私は和菓子店のある町に住んでいる。そのことは自分なりの高いステータスとなっている。店頭の「桜餅」「柏餅」などの貼り紙は、和菓子の美味しさもさることながら、見た目の美しさを楽しみ、穏やかな気分も味わえるからである。【窪具子】