株式会社朝日新聞出版
作家・小池真理子さんが、夫で小説家の藤田宜永さんと死別するまで、そしてあふれる喪失感と向き合いながらも書き綴った『月夜の森の梟(ふくろう)』(朝日新聞出版)。朝日新聞連載時より多くの読者からメールやファックス、手紙の反響があったエッセイの、緊急重版が決定しました。読者だけでなく全国の書店員からも多くの感想が寄せられています。「かけがえのない人を失うとは?」「夫婦とは?」「愛とは?」「生きるとは?」「死とは?」……様々な想いを投げかけてくる喪失エッセイの傑作、52編です。
2018年春、夫の藤田宜永の肺に腫瘍が見つかった。以後、亡くなるまでの1年と10カ月、作家夫婦は死の不安と病の苦しみをどのように受け止め、ともに暮らしたのか……。
〇本文より
死者は天空に昇り、無数の星屑に姿を変えて、遥か彼方の星雲とひとつになっていくものだと私は信じてきた。彼は今、静寂に満ちた宇宙を漂いながら、すべての苦痛から解放され、永遠の安息に身を委ねているのだと思う。
それにしても、さびしい。ただ、ただ、さびしくて、言葉が見つからない。(「夫・藤田宜永の死に寄せて」)
【書店員からの共感の声、続々】
いつか必ず訪れる「大切な人の死」。伴侶を亡くし、その後を生きる著者の喪失感が文章からひしひしと伝わってくる。「今を大事に生きる」ことの大切さが改めてわかる1冊。(くまざわ書店八千代台店・青柳亜希さん)
「年をとったおまえを見たかった」というのは、相手のことを本当に好きじゃないと出てこない言葉だと思います。ずっと一緒にいたいという気持ちが伝わってきました。(ジュンク堂書店藤沢店・鈴木かがりさん)
数ページ読んだだけで、涙が止まらなくなりました‥心が涙であふれますが、哀しいだけではなく一文一文に深い愛があふれています。
夫の藤田先生が小池先生の心の中でずっと生き続けていることをひしひしと感じました。
大切な方がそばにいてくれること、生きているということは奇跡だということを深く教えていただけました。
(紀伊國屋書店福岡本店・宗岡敦子さん)
ガンを患い、日に日に死が近づいている愛しい人を見ているのは、どんなに辛いだろう。
胸が苦しくなる程小池さんの悲しみが伝わってくる。しかしそれ以上にこんなに素敵な男性をどれほど愛していたのかということを書き綴った恋文のように感じた。(ジュンク堂書店郡山店・郡司めぐみさん)
どのページにも藤田さんがいて、森の梟の気配があって、何度も何度も涙が流れましたが
その涙は冷たいものばかりではありませんでした。小池真理子さんの大きな哀しみはやがて私自身にもやってくる喪失を予感させますが、同時に不思議なぬくもりに包まれます。各回の最後に置かれた四季の移ろい、その描写に、清冽ではてしない場処へいざなわれたように感じました。(湘南蔦屋書店・八木寧子さん)
返ってこない「おかえり」を無意識に期待してしまう。亡くすというのは残された者にとって無に等しい。親に対してでも まだ、そう思う。死と向き合った正直な思いが伝わってきました。(うさぎや作新学院前店・丸山由美子さん)
愛する人を思う気持ちが伝わってきて切ないです。今まで小池先生ファンでなくても、共感できる方が多くいらっしゃると思います。是非、幅広く様々な方に読んでいただきたいです。(有隣堂ららぽーと海老名店・山田美香さん)
大切な者を失っていくかもしれない中で、それでも何かを生み出そうとする小池さんの想いが、ずっと藤田さんをこの世に生き続けさせている。(くまざわ書店錦糸町店・阿久津武信さん)
【著者略歴】
小池真理子(こいけ・まりこ)
一九五二年、東京生まれ。成蹊大学文学部卒業。七八年、エッセイ集『知的悪女のすすめ』で作家デビュー、同書はベストセラーになり、一躍、時の人に。八九年『妻の女友達』で日本推理作家協会賞、九六年『恋』で直木賞、九八年『欲望』で島清恋愛文学賞、二〇〇六年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、一二年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、一三年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞。作品に『モンローが死んだ日』『異形のものたち』『死の島』ほか多数。最新刊に『神よ憐れみたまえ』。
<作品Twitter>
「月夜の森の梟」公式アカウント(@tsukiyo_fukurou)では、関連情報をつぶやくほか、読者や書店員の感想を募集、随時紹介して参ります。
https://twitter.com/tsukiyo_fukurou
『月夜の森の梟』
著者:小池真理子
発売日:2021年11月5日(金曜日)
定価:1320円(本体1200円+税10%)
頁数:176頁
ISBN:9784022518002
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