すべての人に本を。小学館「音声Project」本格始動  ── オーディオブック制作体制強化。2年で1000作品制作・配信へ ──

2022年6月25日
株式会社小学館



オーディオブックは、本の内容を読み上げたもので、耳で聞いて楽しめる新たな読書の形態として、人気を集めています。読書バリアフリー法(2019年)の施行以降、アクセシブルな読書形態の一つとしても、注目されています。

小学館では、2018年からオーディオブックの制作を開始し、文芸・新書・ライトノベル・児童書など、さまざまなジャンルの定期配信体制を確立、オーディオブック市場に関わってきました。そこで見えてきたのは、読書困難者と言われる方々が、音声コンテンツを渇望しているという現実でした。

そこで今年、小学館は創立100周年を迎えるにあたり、オーディオブック市場に本格参入することを決定しました。制作体制のさらなる強化、点数増に力を入れ、2023年度には累計1000作品の制作・配信達成を目指し、以降もラインナップを拡大していく予定です。


【1】文学の鉱脈を掘り起こし、オーディオブック化
小学館では、児童向けのものから大人向けのものまで、幅広い年齢層の読者に楽しんでいただけるさまざまなジャンルの出版物を手がけています。オーディオブックについても、ジャンルを問わず、広く展開していきますが、とくに、文学作品の掘り起こしに力を入れます。

文学作品は、時代別に「近代文学」「現代文学」「古典文学」の3つの柱に分けて展開します。夏目漱石、宮沢賢治ら、主に明治・大正の「近代文学」の作品群は、「小学館の名作文芸朗読」シリーズとして、本年中に300作品の配信を開始します。



「現代文学」は、弊社で刊行中の作家別電子全集およびP+D Booksの作品群のなかから、以下のような作家・作品をオーディオブック化、本年中に制作を開始します。将来的には、弊社の『新編 日本古典文学全集』に収録されている「古典文学」の作品群についてもオーディオブック化する予定です。

<「現代文学」主な制作予定作品>
・山口瞳(『居酒屋 兆治』『血族』)
・庄野潤三(『貝がらと海の音』『せきれい』)
・栗本薫(『魔界水滸伝』)
・辻邦生(『廻廊にて』『夏の砦』)
・倉橋由美子(『夢の浮橋』『アマノン国往還記』)
・中上健次(『鳳仙花』『熱風』)
・色川武大(『虫喰仙次』『ぼうふら漂遊記』)


【2】他社との協業、ネットワークを構築
オーディオブックを展開するにあたり、大手声優事務所をはじめ、音声分野において先進的な取り組みを行っている以下の各社と連携。音声コンテンツの制作体制強化や、新たな音声ビジネスの研究開発を模索する予定です。

<パートナー企業と協業内容> ※50音順
・株式会社青二プロダクション(声優ネットワークを活かした音声コンテンツ制作)
・株式会社81プロデュース(声優ネットワークを活かした音声コンテンツ制作)
・松竹芸能株式会社(声優ネットワークを活かした音声コンテンツ制作)
・LINE株式会社(音声合成を使ったオーディオブックコンテンツ制作)
ほか


【3】小学館グループ内の制作体制を強化
オーディオブック制作にあたり、各制作会社との連携を深めるだけでなく、小学館のグループ会社である株式会社ヴイ・フォークによる自社制作体制も強化します。

声優・クリエイターのマネジメント、音源制作を手がけるヴイ・フォークでは、今春、音源制作のためのスタジオを増設しました。現在、5つのスタジオで音源制作可能な体制を整えています。スタジオの詳細については、ヴイ・フォークのサイトをご覧ください。
https://vfork.co.jp/studio
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