第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、10/17に授賞式をYouTubeライブ配信

2022年10月15日
株式会社東急文化村
『源氏物語』を語るトークイベント“文学カフェ”は10/25に開催

株式会社東急文化村(所在地:東京都渋谷区)は、木村紅美さんによる小説『あなたに安全な人』が受賞した第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞の授賞式を10月17日(月)に行います。授賞式の模様はBunkamura公式YouTubeチャンネルにてライブ配信。その他、『Bunka祭2022』文学関連企画のひとつでもあるトークイベント『文学カフェ』についてもご紹介します。


ロバート キャンベル、木村紅美
受賞作 『あなたに安全な人』
<第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞 授賞式 概要>
受賞作:木村紅美 著『あなたに安全な人』(2021年10月 河出書房新社刊)
選考:ロバート キャンベル
賞の内容:正賞 賞状+スイス・ゼニス社製時計、副賞 100万円
授賞式日時:2022年10月17日(月)
(贈呈式17:30~、両氏による記念対談18:00~ ※19:00終了予定)
会場 :Bunkamura館内(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)

授賞式の模様はBunkamura公式YouTubeチャンネルにてライブ配信します。
選考の過程や受賞者の思いをぜひリアルタイムでご覧ください。

授賞式のライブ配信詳細はこちら
https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/topics/6616.html

※贈呈式は後日、Bunkamura公式YouTubeチャンネルにて配信します。
※記念対談は後日、Bunkamura STREAMINGにて無料配信します。

授賞式のご取材をご希望のメディアの方は、お問合せください。

<受賞者プロフィール>



木村紅美(きむら くみ)
1976年兵庫県出身。小学校六年生から高校卒業まで宮城県仙台市で過ごし、現在岩手県盛岡市在住。明治学院大学文学部芸術学科卒。2006年に「風化する女」で文學界新人賞を受賞しデビュー。著書に『風化する女』『月食の日』『夜の隅のアトリエ』『まっぷたつの先生』『雪子さんの足音』等がある。


<受賞者 木村紅美氏 受賞の言葉「不穏さの裏側にある何か」抜粋>
八月のある夜、ロバートキャンベルさんがBunkamuraドゥマゴ文学賞に『あなたに安全な人』を選んでくださったと知らされ、跳びあがった。驚きと喜び、不思議さが混ざりあい、眠れなくなった。朝まで、蝉と鈴虫の声に耳を澄ませていた。
(中略)
選評にある「不穏としか言いようのないような感覚を理屈や説明抜きに」書こうと、私は、むかしから好きな作家たちに触発され新しい小説も読みながら、試行錯誤をくり返してきたように思う。「ポッド」で息を殺しあう妙と忍の「打算と孤独と生きる一種の才能」は、おそらく、あの日読んだ『白痴』から受け継いだ。ここまで来るのに、十年あまりかかった。いつも、プロットなし、一行さきの展開すら掴めない書き方で書きつづけてきて迷走も多いけれど、この書き方しかできない。いま、受賞に心底感謝し励まされている。
(後略)

<選考委員プロフィール>



ロバート キャンベル(Robert Campbell)
ニューヨーク市出身。専門は江戸・明治時代の文学、特に江戸中期から明治の漢文学、芸術、思想などに関する研究を行う。 主な編著に『日本古典と感染症』(編)、『井上陽水英訳詞集』、『東京百年物語』、『名場面で味わう日本文学60選』(飯田橋文学会編)等がある。YouTubeチャンネル「キャンベルの四の五のYOUチャンネル」配信中。


<選考委員 ロバート キャンベル氏 選評「見えないモノから身を守るポッド」抜粋>
(前略)
『あなたに安全な人』の著者は、人々の心に巣喰う漠とした不安に向かおうとしている。まるでコテで塗り上げ乾燥させた、並列的で短く区切られた壁のような文章で書き切っている。読みながら、わたくしは長く続く言葉の壁に見入り、喉の奥でいがいがするものを覚えた。文学作品、つまり物語だから当然ともいえるけれど、不穏としか言いようのないような感覚を理屈や説明抜きにひしひしと畳み掛けてくる。世界を覆う不均衡(インバランス)に声と形を与えようとしている点において、ひとまず高い評価に値する作品であることは間違いない。日々、自分の体に刻まれる無数の小さな引っ掻き傷を、あたかもページをめくりながら指で確かめるごとき違和と、納得感を得た。読後感は、けっして爽やかなものではない。
(中略)
小説を読みながら、わたくしは今生きなければならない社会のプレカリティ(precarity. 漠とした不安定さ)とも言える不穏な足どりがかいま見えた気がした。富める者も富めない者も、直面しなければならない社会の病理を基底から清潔に、かつ稠密に配置したフィクションの上から、指で触れ、感覚として追体験できる一冊である。けっして結ばれることのない他者同士の打算と孤独と生きる一種の才能は、行間にあふれ、混ざった色として目の前に現れるのであった。

詳しくはこちら
https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/winners/32.html

<『Bunka祭2022』文学関連企画>
■ドゥマゴサロン 第21回文学カフェ「時代を超えて愛される源氏物語の奥深い魅力」
会場:セルリアンタワー能楽堂
2022年10月25日(火)19:00~
林 望氏・ロバート キャンベル氏の豪華ゲストで『源氏物語』の魅力を語る!
林 望、ロバート キャンベル
セルリアンタワー能楽堂
Bunkamuraドゥマゴ文学賞がおおくりするトークイベント『ドゥマゴサロン 文学カフェ』。21回目となる今回は、『源氏物語』をテーマに、『謹訳 源氏物語』で毎日出版文化賞特別賞受賞した林 望氏と、第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞にて選考委員を務め、日本文学研究者でもあるロバート キャンベル氏のお二人が登壇します。
時代を越えて多くの人に愛され、語り続けられてきた『源氏物語』の魅力をお二人ならではの視点で語っていただきます。不朽の古典文学『源氏物語』に新たな発見があるはずです。

詳しくはこちら
https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/topics/6535.html

<林 望氏・ロバート キャンベル氏によるサイン会が決定>
トークイベント終演後に林 望氏・ロバート キャンベル氏によるサイン会を行います。サイン会の対象となるのは、当日会場にてご購入いただいた書籍のみ、お一人様2冊までです。

<MY Bunkamuraご登録者限定特典 『源氏物語の楽しみかた』プレゼント>


開催を記念し、本トークイベントのチケットをご購入いただいた方の中から抽選で3名様に、『源氏物語』の味わい方を徹底解説した林 望氏 著『源氏物語の楽しみかた』(祥伝社新書刊)をプレゼントします。当選された方には会場にて書籍をお渡しします。終演後のサイン会で林 望氏にサインしていただけます。
詳しくはこちらhttps://www.bunkamura.co.jp/mybunkamura/#467
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