株式会社デジタルメディア研究所
2022年10月31日、第1回「AIのべりすと文学賞」(株式会社デジタルメディア研究所 東京都目黒区/代表・橘川幸夫)の最優秀作品は、高島雄哉氏による「798ゴーストオークション」に決定しました。高島氏には賞金50万円と「AIのべりすと」プラチナ会員権12ヶ月分が贈られます。
作家としての経歴を持つ高島氏の作品は、基本的な文章力を土台にAI技術による文書生成システムを見事に使いこなしており、これからの時代の新しい文学の可能性の扉を開けるものとなりました。
また各賞には小説のほかに短歌も選出されており、AIによる創作の新たな可能性を感じさせます。これらの作品は「AIのべりすと文学賞 作品集」として書籍化を予定しています。
https://demeken.net/ai-novelist/
今回の文学賞には、10代から70代の幅広い世代から389作品の応募がありました。
反響を受け、現在、第2回「AIのべりすと文学賞」の開催を計画中です。
「AIのべりすと」開発者のSta氏は受賞作決定に際し「今回のAIのべりすと文学賞は、始まりに過ぎません。“AIに仕事を取られるかも”とか“AIに負けるかも”という恐怖ではなく、“AIを活用して大作家になった“とか“AIのおかげで創作が苦でなくなった“という実際の成功体験がこれから次々に出てくるはずです。その最初の触媒のひとつがAIのべりすと文学賞なのだと思います」と今後のクリエイティブな創作活動に期待を寄せています。
「神」でも「奴隷」でもなく、「ティンカーベル」(妖精)であるとSta氏が自ら評した「AIのべりすと」は今後、更にインターネット情報の拡大とともに、作家にとっての愛すべき妖精として成長していくはずです。
画像生成AI「TrinArt」の開発も始まるなど、進化する「AIのべりすと」のさらなる展開にご期待ください。
[最優秀賞]
高島雄哉 「798ゴーストオークション」
[優秀賞]
minet 「Undo能力を手に入れた俺と後輩の桜井さんの長い一日」
時雨屋 「5分後に探偵未遂」
[ショート部門]
宇野なずき 「空に還る」
[小学館賞]
ギン・リエ 「カミガカリ 不自然言語処理連続殺人事件」
[coly賞]
坂本未来 「好ってだけ」
https://demeken.net/ai-novelist/
◆審査員
入江武彦(会社役員/著作権コンサルタント) / 川田十夢(AR 三兄弟 長男)/ 五味未知子(アイドル、タレント)/ 佐藤満春(放送作家)/ 竹内宏彰(アニメーションプロデューサー)/ 田口ランディ(作家)/ ダ・ヴィンチ恐山(ライター)/ 橘川幸夫(デジタルメディア研究所)
◆受賞作品 審査員コメント(抜粋)
[最優秀賞]
高島雄哉 「798ゴーストオークション」
◆『798ゴーストオークション』はAIがアート界を支配する近未来を「AIのべりすと」を使って書くという皮肉。この時代に「AIのべりすと」を使ってしか表現できないニヒリズムだと思う>
(審査員:田口ランディ)
◆AIについては万年筆やワープロと同様の「記述ツール」であると判断しますのであえてAIだからと特別には見ませんが、前述の「情景描写」の少なさなどが「AIを使用したが故の」特性だとしたら改善の余地があるかも知れません。単に作品として判断した場合は「798ゴーストオークション」が推薦できるものと考えます。
(審査員:入江武彦)
[優秀賞]
minet 「Undo能力を手に入れた俺と後輩の桜井さんの長い一日」
◆「undo」能力設定がAIとの親和性が感じられ、違和感なく物語の世界に入り込めた。
会話劇を中心とした展開はAI的な無機質な文章生成を感じさせず、現代の若者の恋愛観が瑞々しく描かれていて好感が持てる。
(審査員:竹内宏彰)
◆いわゆるプロンプトエンジニアリングが文章や画像の作成に有効だという認知が進んで、次に問われてくるのはどのように導いた文章であるかを明示することだし、作画の根拠をストーリーテリングに散りばめることだと思われる。この作品は、応募要項にはまだ書いていない状況を把握して進めている。
(審査員:川田十夢)
[優秀賞]
時雨屋 「5分後に探偵未遂」
◆AIらしさは関係なく単純な面白さで選ばせていただきました。結果的にAI生成の可能性と天然ボケを見事に凝縮した作品を推していました。AI生成小説の登場人物が実在の事件を解決しようと奮闘するコメディメタミステリ! 「AIのべりすと」が相棒でなければきっと書けない作品です!
(審査員:ダ・ヴィンチ・恐山)
[ショート部門]
宇野なずき 「空に還る」
◆「空に還る」は、「AIのべりすと」と著者が、語り合うようにして創られた作品だと思います。短い定形の中に、著者のさまざまな感情と、見えている風景を感じることが出来ました。今後もAIのべりすと短歌の可能性を追求してください。
(審査委員長:橘川幸夫)
[小学館賞]
ギン・リエ 「カミガカリ 不自然言語処理連続殺人事件」
◆サナギと呼ばれる超常的な存在が、警察・検察が収集したビッグデータを飲み込み、未解決事件の“犯人だけ”を言い当て、検察に所属する主人公が有罪を立証するべく捜査するというミステリー作品。ビッグデータを飲み込み、出力するというAIのような行為が「AIのべりすと」を使い書かれており、作品内容と執筆方法をリンクさせるという著者の発想力に脱帽した。
(株式会社小学館)
[coly賞]
坂本未来 「好ってだけ」
短歌として、短い言葉に秘められた感情に心動かされると共に、連作として見たときには関係性や情景の想像を掻き立てられました。AIと人間の共作による、今後のエンタメの可能性にますます期待が高まる作品でした。
(株式会社coly)
[ほか 審査員からの推薦作]
minet「異世界お客様相談窓口 ~ドラゴンの卵を電子レンジでチンしたら爆発しちゃいました!~」
◆お客様相談窓口という現代の切り口をファンタジー世界に広げた作品で終始、不条理なあるある感とゲーム感のある世界が入り混じった作品でした。広げようと思えばどうにでもなりそうなところを「あえて」そこに執着した作者のこだわりに拍手を送りたいです。
(審査員:佐藤満春)
太陽院りすか「明日やろうは豚野郎」
◆一度閉店した伝説の豚野郎ラーメン。2代目店主が、試食会に招かれたプロのグルメライターに語る”豚野郎”ラーメンに隠されたある出来事。グルメライターが語るラーメンレポートに食欲がそそられ、声に出して読みたい癖のある台詞、次々に明かされる真実、気がつけば物語に引き込まれ一気に読んでしまいました。
(審査員:五味未知子)
◆進化するAI文章生成・画像生成サービス
募集期間中にも「AIのべりすと」は進化を続けており、2022年10月現在で、史上最大の73億/200億パラメータ&総1.5テラバイトのコスからフルスクラッチで訓練した小説AIとなりました。登録ユーザーも30万人を超えています。
また画像生成AI「TrinArt」のサービスも始まっており、近い将来、より多くのクリエイターを支援する機会として発展する可能性を秘めています。
https://ai-novel.com/images/trinart_samples/trinart_sample_20221016_d.webp
「TrinArt」は、人物だけでなく背景、小道具を含め、ストーリー性のある作品を描くことが可能です。すでに「AIのべりすと」で小説を書き、「TrinArt」でさし絵を入れる作品も現れており、AIが多様な創造性の受け皿になるよう、文学賞の今後を模索して参ります。
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◆「AI のべりすと alpha2.0」とは?◆
https://ai-novel.com/
世界で120万ダウンロードを記録した音楽ゲームアプリ「ToneSphere」を開発したクリエイターSta(すた)が、Google TRC の協力のもと2021年秋にリリースした日本最大級の物語生成 AI ジェネレーターです。