第11回ポプラ社小説新人賞 受賞作品の単行本が3ヶ月連続刊行!!

2023年1月25日

株式会社ポプラ社
過去最多1251通の応募作の中から選ばれた3作品が登場!

株式会社ポプラ社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:千葉均)は、第11回ポプラ社小説新人賞で新人賞を受賞した1作品、特別賞を受賞した2作品の全3作品の単行本を、2023年1月~3月まで3ヶ月連続刊行いたします。

2021年に選考が行われた第11回ポプラ社小説新人賞では、過去最多の1251作のご応募をいただきました。
一次選考では97作、二次選考では35作が選ばれ、その後三次選考を経て最終候補作として11作品を選出しました。11名の選考委員が臨んだ最終選考会では、8作品が入賞しました。
その中で、新人賞を獲得した『つぎはぐ、さんかく』、特別賞を受賞した『街に躍ねる』『毒をもって僕らは』の3作品が、1~3月に刊行となります。

1月刊行 『つぎはぐ、さんかく』(菰野 江名)


選考委員満場一致、新人賞受賞作。

惣菜屋を営む3きょうだいを、温かなまなざしで描き出した作品です。
1月30日(月)頃に発売となります。

~あらすじ~
惣菜と珈琲のお店「△」を営むヒロは、晴太、中学三年生の蒼と三人兄弟だけで暮らしている。ヒロが美味しい惣菜を作り、晴太がコーヒーを淹れ、蒼は元気に学校へ出かける。
しかしある日、蒼は中学卒業とともに家を出たいと言い始める。これまでの穏やかな日々を続けていきたいヒロは、激しく反発してしまうのだが、三人はそれぞれに複雑な事情を抱えていた――。

選考委員の声
冒頭から独特の世界観に心を掴まれた。
家族とは、自己とは……身を寄せ合って生きてきた3人の出した答えに、深い感動が込み上げる。
あたたかい優しさで包みこんでくれるような傑作だと思う。

作品の雰囲気やたたずまいがとてもよい。
主人公が自身のルーツに触れて、
ようやくたどり着いた心境にリアリティと
静かな感動がある。

全体的に漂う空気、
完成された世界。完璧な映画を観たような
充実感と余韻があり、この優れた書き手を
ポプラ社から世に送り出せることが、
本当に嬉しくてたまらない。

2月刊行 『街に躍ねる』(川上 佐都)


特別賞受賞作。
兄弟の絆を通じて、人と違うことの苦しさ、素晴らしさを描いた感動作です。
2月15日(水)頃に発売となります。

~あらすじ~
小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると普通じゃないらしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。

選考委員の声
瑞々しく純粋な感性と、極めて現実的で容赦のない描写が共存しており、
その対比がこの作品の無二の魅力を作り出していると思った。
人は常に誰かと違うということ、違いを知ろうとすることの大事さが、
限りなく真摯に描かれていると感じる。

今日的な問題をはらんでいて、最後まで一気に読ませる筆力がある。
一見、世間的な常識の「外」にいる主人公の兄の存在が、家族というものの「在り方」を
読者に絶妙な形で突きつけてくる。そのバランスが心地よい。

兄の凄さが世間のものさしから外れていることに対するもどかしさや歯がゆさ、そして
純粋だからこそ感じる世の中への疑問が、小学生の視点を通して描かれていて、
その率直さとリアリティが素晴らしいと感じた。

3月刊行 『毒をもって僕らは』(冬野 岬)

カバーデザインは調整中です
特別賞受賞作。
時代の汚れにまみれながらも、懸命に生きる高校生たちの、胸に迫る青春小説。
3月15日(水)頃に発売となります。

~あらすじ~
高校生の木島道歩は、尿路結石で入院していた病院で16歳の誕生日を迎えた。またみんなに馬鹿にされる……。そんな木島に「ねえ、君にお願いがあるんだ」と声をかけてきたのは、不治の病とたたかう綿野という少女だった。「この世界の、薄汚い、不幸せなことを私に教えてくれないか。もっと、もっと、もっと」――。二人は「生きる証」を打ち立てようと、嘲笑と裏切りを突き抜けて進んでいく。

選考委員の声
生への執着と情熱が暴れまわり、渦巻いている。
滑稽で、悲愴で、ときに甘美。
勢いのある物語の進行は多様な感情を引き連れて、ゴールへと進んでいく。
面白い、とにかく面白い。

露悪的な描写が並んでいるが、それを含んでいる「この世界」を、
結果として生きていくしかないというメッセージがきちんと伝わってくる。
キャラクターも一筋縄でいかない人物ばかりだが、最後は愛しく感じる。

読んでみたら良い意味で予想を裏切られた。
1行目から引き込まれて、ヒリヒリしながら読めた。牽引力がある。
きれいごとではない生々しい言葉の一つ一つにとても惹かれる。
心を切り裂いていくような鋭さに、オリジナリティを感じた。

書籍情報

書名:『つぎはぐ、さんかく』
著者:菰野江名
定価:1,760円(10%税込)
発売日:2023年1月30日
公式HP>> https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008411.html
Amazonページ>> https://www.amazon.co.jp/dp/4591176126?tag=poplarsha-22&linkCode=osi&th=1&psc=1

書名:『街に躍ねる』
著者:川上佐都
定価:1,760円(10%税込)
発売日:2023年2月15日

カバーデザインは調整中です

書名:『毒をもって僕らは』
著者:冬野 岬
定価:1,760円(10%税込)
発売日:2023年3月15日
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