沢木耕太郎の傑作ノンフィクション『天路の旅人』が第74回読売文学賞を受賞!

2023年2月6日

株式会社新潮社
本日2月1日(水)第74回読売文学賞受賞作が発表され、随筆・紀行賞を沢木耕太郎著『天路の旅人』が受賞しました。『天路の旅人』は原稿用紙900枚超の大作で、掲載誌「新潮」8月号を完売させ、単行本発売前から大きな話題を呼んだノンフィクションです。先月10日にはNHK「クローズアップ現代」で紹介され、めったにテレビに出演しない沢木さんの貴重なインタビュー映像に、放送中から「沢木耕太郎さん」がトレンド入り。「今すぐ旅に出たくなった」「自由の本質とは何かを考えさせられた」「早速本を買った、早く読みたい!」など、SNSでは好意的な感想が次々に投稿されました。放送を受け、リアル書店・ネット書店共に売り切れが続出、現在4刷7万部の大ヒットとなっています。
576頁と分厚い本にもかかわらず、「読み出したら止められない」「不思議なくらい『深夜特急』と重なり合うシーンが出てきて、思わずハッとする」「これほどまっすぐ「旅人」を描いた作品はないかも」など、沢木さんの9年ぶりの作品に興奮の感想も多数あがるなかでの本賞の受賞は、『天路の旅人』を新たな「旅文学」の金字塔として決定付けるものになりそうです。

第二次大戦末期、敵国・中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した日本人・西川一三。敗戦後もラマ僧に扮し、果てしない旅を続けた彼に、沢木さんは激しく共鳴しました。
「この希有な旅人のことを、どうしても書きたい」と、25年の歳月をかけて結実させた本作は、沢木耕太郎史上最長編にして、「旅」の真髄に迫る傑作ノンフィクションです。

沢木さんは本書の「あとがき」にて、以下のように記しています。
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彼、西川一三の旅も長かったが、その彼を描こうとする私の旅も長かった。彼に会ったのを発端とし、書き上がったときを終結とすれば、発端から終結まで二十五年かかったことになる。
西川一三を書く。
しかし、その彼が自らの旅について記した『秘境西域八年の潜行』という書物がありながら、あえて彼の旅を描こうとするのはなぜなのか。
私は、何度も、そう自問した。
そして、やがて、こう思うようになった。私が描きたいのは、西川一三の旅そのものではなく、その旅をした西川一三という希有な旅人なのだ、と。

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https://www.shinchosha.co.jp/book/327523/preview/
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【書籍内容】
第二次大戦末期、敵国の中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した若者・西川一三。敗戦後もラマ僧に扮したまま、幾度も死線をさまよいながらも、未知なる世界への歩みを止められなかった。その果てしない旅と人生を、彼の著作と一年間の徹底的なインタビューをもとに描き出す。著者史上最長にして、新たな「旅文学」の金字塔。


【著者紹介】
沢木耕太郎(さわき・こうたろう)
1947年東京生れ。横浜国立大学卒業。ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。その後も『深夜特急』『檀』など今も読み継がれる名作を発表し、2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞、13年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を受賞する。長編小説『波の音が消えるまで』『春に散る』、国内旅エッセイ集『旅のつばくろ』『飛び立つ季節 旅のつばくろ』など著書多数。

【書籍データ】
【タイトル】天路の旅人
【著者】沢木耕太郎
【発売日】2022年10月27日
【判型】46判ハードカバー
【定価】2640円(税込)
【ISBN】4-10-327523-7
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/327523/
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