【新刊】『絵本は親子のゆりかご』ベテラン司書が語る、子どもにとっての読みきかせ、そしてその先

2024年1月25日

NPOブックスタート
公共図書館勤務を経て、保育園で司書顧問をつとめる著者から、「絵本」「子ども」に関わる人たちへ、エールを送る一冊

NPOブックスタートは、「子ども・社会を考える」プロジェクトの一環として、司書 伊藤明美氏の講演録を刊行しました。2022年11月開催の全国研修会での講演の記録です。



絵本は親子の豊かな関係性の土台

保育園の玄関の絵本コーナーには、その日、読んでもらった絵本も置かれています。ある女の子は、「これ読んで!」と、お迎えに来たお母さんにせがみます。なぜ、読んでもらったばかりの絵本を「読んで」と言うのでしょうか?
「本が好き。読んでもらうのが好き。お母さんに読んでもらうのはもっと好き。大好きなんですね」と著者は語ります。
子どもは、本と一緒に読んでくれた人や時を記憶して成長し、その1冊が子どもの宝物となり一生を支えていく……。
司書として、長年子どもたちに寄り添い、絵本の読みきかせを行ってきた著者が、自身の体験をもとに、子どもや保護者にとっての絵本の読みきかせ、そしてその先に続くものを丁寧に紐解きます。


伊藤明美氏講演の様子(オンライン)
<著者プロフィール>
伊藤 明美(いとう あけみ)
社会福祉法人芳雄会図書顧問・司書。千葉県浦安市立中央図書館に33年間、司書として勤務。市のブックスタート事業の立ち上げや実施にも携わる。現在は、芳雄会が運営する3つの保育園で、園児への読みきかせや絵本の選書・展示等を行う。大学講師、絵本専門士養成講座講師等としても活躍。主な著書に『先生が本(おはなし)なんだね』(小澤昔ばなし研究所)、『児童サービス論』(共著 日本図書館協会)、『知っておきたい図書館の仕事』(共著 LIU)、『がまとうさぎのもちあらそい』(再話 くもん出版)などがある。

<目次>
子どもたちの絵本環境
 ・園の子どもたちに絵本を読みきかせるまでのこと
 ・広がる絵本の環境格差
■ 乳幼児の発達と絵本
 ・耳を育てる
 ・公共図書館と乳幼児サービス
 ・明らかになってきた赤ちゃんの能力
 ・赤ちゃんに絵本?~大学生の感想から
■ 「本読んで!」と言う子どもたち
 ・本当に読んでほしいのはお母さん
 ・「本を読んで!」は「一緒にいて!」
 ・0歳から2歳の読書は「共感読書」
 ・「声」で抱っこする
■ ブックスタートを未来につなげる
 ・ボランティアは「優しくて頼りになる第三者」
 ・実体験や興味を絵本につなげる
■ 絵本は親子のゆりかご
 ・絵本は親子の豊かな関係性の土台
 ・わらべうたは絵本の入り口
 ・絵本の読みきかせとは、読み手を通して子どもが世界を体験すること
■ Q&A
 ・ブックスタート事業の意味
 ・保護者への言葉かけ
 ・就学前の子どもへのアプローチ
 ・事業の立ち上げ

<編者>
NPOブックスタート(特定非営利活動法人ブックスタート) 
独立・中立的スタンスから日本の「ブックスタート(R)」を推進する民間の非営利組織。活動が生まれたイギリスの取り組みを日本に紹介し、活動を将来的に継続して推進するため2001年4月に発足。2002年1月に東京都から認証を受けNPO法人となる。自治体のブックスタート事業立ち上げや実施の充実を支援する各種事業(研修、相談対応、各地の情報収集と発信など)を全国規模で行う。
子どもたちが健やかに成長する社会の実現のため、「子ども・社会を考える」プロジェクトや、絵本のひとときの楽しさを伝える「いっしょにえほん」プロジェクトなど、ブックスタート事業から派生した取り組みも行う。また、Global Network for Early Years Bookgifting(幼い子どもたちに本を贈る活動の世界的なネットワーク)に参画し、世界に向けて日本の取り組みを発信している。https://www.bookstart.or.jp/

ブックスタートとは 
0歳児健診などの機会に、絵本をひらく楽しい「体験」と「絵本」を「すべて」の赤ちゃんにプレゼントする活動。赤ちゃんにとって絵本は、読むもの(read books)ではなく、読み手と共に楽しむもの(share books)という趣旨のもと、行政と市民が協働する自治体の事業として全国で行われている。

<書籍情報>
書名:「絵本は親子のゆりかご」
著者:伊藤明美
発売日:2024年1月20日
定価:770円(本体700円+税10%)
判型:A5判
ページ数:44ページ
ISBN:978-4-902077-17-9

お求めは NPOブックスタートオンラインショップ
https://bookstart.theshop.jp/
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